第1回「千年の愚行だ」北陸新幹線、京都の激しい反発 何が起きているのか

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武井風花 西崎啓太朗
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 年の瀬の迫った2024年12月19日。京都府庁に法衣に身を包んだ僧侶たち3人が姿を現した。清水寺金閣寺、東寺など約1千の寺院が加盟する「京都仏教会」の代表者で、用向きは府への申し入れだった。仏教会によると、府へ申し入れを行うのは初めて。知事の西脇隆俊(69)が出迎えたのは、その重みの証左だった。

 「計画は千年の愚行であり、再考を強く求める」「トンネルによって京都の1200年の歴史と未来が揺らごうとしている」――。西脇に手渡された申入書には、激しい文言がちりばめられていた。やり玉に挙がったのは、京都に北陸新幹線を走らせる計画についてだった。

 信越を通り東京と新大阪を結…

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この記事を書いた人
西崎啓太朗
京都総局|京都府政
専門・関心分野
移民、難民、宗教、農業、中東地域
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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2025年3月3日8時24分 投稿
    【視点】

    ルート決定、用地取得、建設・・・と考えると、私の目の黒いうちに北陸新幹線が京都につながることはもう無理ではないかとさえ思います。  敦賀駅で乗り換えが必要な状態は、少なくとも数十年続くでしょう。この現実を受け入れた上での利便化は必須だと思い

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    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2025年3月3日20時5分 投稿
    【視点】

    過去に京都で「白足袋」と呼ばれる人たちを敵に回して勝った者はいない。また、市中心部の地下を掘り、新幹線を走らせる——などという、この時代錯誤な計画には、伏見の酒蔵も強い懸念を表明している。

    …続きを読む