「運行本数増やして実証事業を」芸備線の再構築協で自治体側が主張
矢代正晶
赤字ローカル線、JR芸備線の備後庄原(広島県庄原市)―備中神代(岡山県新見市)間の存廃などを議論する「再構築協議会」の第4回幹事会が29日、広島市内であった。沿線自治体側は、運行本数を増やした上で、芸備線の潜在的可能性を追求する実証事業を実施するべきだと主張した。
協議会では現在、沿線住民や利用者へのアンケートや経済効果の試算などを進めている。今年度末に取りまとめ、調査結果をもとに、新年度から路線の可能性を追求するための実証事業を行う。
この日の幹事会では、国土交通省中国運輸局から、実証事業の試案として、駅とバス・タクシーなど二次交通との連携強化や、観光客誘致などが示された。
ただ、広島県の岡田浩二・地域政策局長は、運行本数の少なさが実証事業を考えるうえでの「ボトルネック(支障)になっている」と指摘。庄原市や新見市からも増便を求める声が相次いだ。
これに対し、JR西日本側は「設備面など物理的な制約もある」と増便への課題を説明。中国運輸局は、3月開催予定の協議会までに双方の意見を調整する考えを示した。