津波だ!急げ! 高台へ誘導 南海トラフ想定の訓練 JR

奥正光
[PR]

 南海トラフ巨大地震を想定し、日豊線を走る列車を使った乗客の避難誘導訓練が、川南町の川南―高鍋駅間であった。JR九州が毎年実施しており、同社の社員や地元自治体の職員ら計237人が参加。今回は初めて高校生も加わった。

 22日にあった訓練は、ワンマン運転の列車(4両編成)が走行中、震度6強の地震が起き、大津波警報が発令されたと想定。列車は高鍋駅を出発した直後、川南町内の踏切付近で緊急停車した。

 山本智之運転士が車内放送で地震の発生を伝え、「津波に備えて列車から降りて避難します」「左側のドアが開きます。床に座ってから降り、踏切から高台へ移動してください」などとアナウンス。線路脇に降りてからは「津波が来るぞ!」「急げ!」と声を張り上げ、高台へ誘導した。

 高鍋高2年の飯干紗香さんは「本当に津波が来た時はもっと緊張感があると思う。訓練を生かして備えたい」と語った。

 山本運転士は「運転士1人で多くのお客さまを避難誘導するので、とにかくスピードが重要と感じた。冷静に安全かつ迅速に誘導できるよう、災害時の対応能力を向上させたい」と話した。

 JR九州は3月15日のダイヤ改定以降、車掌業務の経費などを減らすため、県内の普通列車をすべてワンマン運転にする予定。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません