リニア工事巡る水位低下、原因究明へ JR東海がボーリング調査開始
米田怜央
岐阜県瑞浪市大湫町でリニア中央新幹線のトンネル工事が原因とみられる水位低下が確認された問題で、JR東海は9月30日、水位低下の原因を究明するためのボーリング調査を始めた。
同社によると、同日から調査を行うための資材の搬入や組み立てを始めた。計画では、トンネルや集落の近くなど大湫町内の5箇所でボーリング調査を行い、透水性の高い花崗岩が分布していると考えられる箇所で水の流れを確認したり、断層の位置や角度を調べたりする。
同社はボーリング調査や水質調査などをもとに、「地下水位低下のメカニズムを明らかにする」としている。
大湫町では今年2月以降、井戸やため池など複数の場所で水位の低下が確認された。さらに同社は8月下旬、大湫町内で地盤沈下が確認され、丹羽俊介社長は「トンネル工事による水位低下の影響を否定できない」との見方を示している。
水位低下問題を受けて、同社は5月から大湫町でのトンネル工事を中断している。