能登被災地で大雨、1人死亡3人不明 復旧作業員ら7人安否不明
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登北部に21日、記録的な大雨が降り、河川の氾濫(はんらん)や土砂崩れが相次いだ。県などによると、死者は珠洲市で1人、行方不明者は輪島市、珠洲市、能登町で計3人、重傷者は能登町で2人にのぼっている。行方不明者3人はいずれも川に流されたという。また、輪島消防署によると、輪島市久手川(ふてがわ)町で住宅4棟が川に流され、住民4人の安否が分からない状態という。
国土交通省の現地事務所によると、輪島市門前町では、国道249号の中屋トンネル付近で土砂崩れが起き、地震からの復旧工事に携わっていた作業員3人と連絡が取れず、安否不明という。
消防によると、死亡したのは珠洲市若山町の70代男性。土砂崩れで倒壊した家屋から救出されたが、搬送時には心肺停止状態だったという。
車の立ち往生相次ぐ「埋まるとは思わず」
気象庁によると、南からの暖かく湿った空気が、北からの風とぶつかり、日本列島にかかる秋雨前線の付近で積乱雲が発達。前線の南側と重なった能登半島に、局地的な大雨を降らせた。
21日午前には、石川県内で線状降水帯が発生。輪島市、珠洲市、能登町に大雨特別警報が発表された。午後8時までの24時間降水量は、輪島市で356.5ミリ、珠洲市で260.5ミリとなり、いずれも1976年からの観測史上最大の雨量となった。
石川県などによると、21日午後4時時点で、16河川が氾濫して床上、床下浸水は多数にのぼり、仮設住宅8団地でも床上浸水が起きている。孤立状態の地区は、珠洲市で4カ所、能登町で2カ所確認されており、輪島市は調査中。停電も輪島市を中心に計約6500戸で発生し、各地で断水も起きているという。
輪島市では、町野町で住宅が巻き込まれる崖崩れが2件起き、住民がいたかどうか確認している。宅田町の仮設住宅では床上浸水の被害が起き、住民が腰まで水につかりながら避難した。
21日夕の県災害対策本部員会議では、各市町の代表者らが被害状況の認識を共有。輪島市の坂口茂市長は「門前町以外はすべて孤立。行方不明は10人ほどいる」と報告した。
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- 【視点】
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