JR貨物の検査不正、北海道にも余波 「ジャガイモ列車」運行未定に

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上地兼太郎 中沢滋人
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 JR貨物が貨物列車の検査データを改ざんしていた不正にからみ、同社は11日、車両点検のため、すべての貨物列車(約7千両)の運行を止めた。停止が長引けば、収穫期を迎えている北海道内の農業にも影響が及ぶ恐れもある。

 JR貨物は10日、車軸に車輪などをはめ込む作業で検査データを改ざんする不正が少なくとも2014年からあったと公表。国土交通省は11日、鉄道事業法に基づいて、不正があった北海道室蘭市など国内3カ所の車両場などへ特別保安監査に入った。また新たな不正も見つかり、全国で貨物列車の運行を停止して点検を進めている。

 年約15万トンのジャガイモを出荷している北海道北十勝地方の5農協(JA)は毎年、ジャガイモの収穫最盛期に、ポテトチップスになる加工用イモを臨時の貨物列車「ジャガイモ列車」で本州に運んでいる。

 今年も12日から10月8日までの予定で、帯広貨物駅―埼玉・熊谷貨物ターミナル駅を往復運転する予定だった。ただJR貨物北海道支社によると、「点検作業のため、12日から運行できるかは流動的」(広報)とする。

 また、5農協では生食用ジャガイモ輸送は、定期の貨物列車と、フェリー・トラック輸送を併用している。今回の不正問題を受け、急きょ、生食用のイモについては今週末まで、全量トラックとフェリーで運ぶことにした。5農協の事務局を務めるJA士幌町食用馬鈴薯課の担当者は「イモも腐ってしまう。復旧の見通しが立たない中、確実に送るため、なんとか運転手を確保し対応した」と話す。

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この記事を書いた人
上地兼太郎
経済部兼北海道報道センター|北海道農業・経済・電力・JR北海道
専門・関心分野
デジタル分野、北海道