能登地震でずれた巨大岩、発破で除去する難工事続く 黒部峡谷鉄道
佐藤美千代
能登半島地震で被害を受けた黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)は、宇奈月―猫又(ねこまた)間の折り返し運転が続く。落石現場では大きな岩の塊を取り除く工事が進むものの、損傷した鐘釣橋の復旧は来春に間に合わない見通しで、依然、全線開通のめどは立っていない。
同社は27日、復旧計画の進み具合などを公表した。落石があった東鐘釣山では5月中旬に工事を始め、地震でずれた岩塊への経路としてモノレールなどを設置。7月下旬から岩の除去作業に入った。
落石防止対策工事を担当する、同社の親会社・関西電力黒部川水力センターの水田潤一所長によると、現場は狭く、作業に入れるのは1日8人。猫又まで電車に乗った後、山すそからモノレールやはしごを使い、標高差約350メートルの急勾配を登って「通勤」しているという。
山の上からロープでぶら下が…