美祢線の鉄道復旧に58億円 工期は河川改修後5年 JR西見通し
昨夏の大雨で被災したJR美祢線について、沿線3市やJR西日本などでつくる同線の利用促進協議会の第1回復旧検討部会が28日、山口県美祢市役所で開かれた。JR西は運休が続く美祢線を鉄道として復旧する場合、崩落した第6厚狭川橋梁(きょうりょう)の改築などに約58億円以上の費用がかかり、復旧工事は着工から5年程度かかるという見通しを示した。
美祢線では2010年の豪雨の際にも別の橋が流されており、JR西は、第6厚狭川橋梁を改築しても再度被災する可能性があると指摘。これを受けて県は河川改修に取り組む方針で、改修に10年程度かかるとされている。
JR西は部会で、この河川改修が終わるまで被災のおそれがあるため着工するべきではないと主張した。その場合、十数年間にわたって復旧が見込めないことになる。
復旧費用の内訳は、第6厚狭川橋梁の改築費が約22億円▽そのほかの被災した設備の機能回復に約10億円▽厚狭川にかかる10橋梁の橋脚26基の補強対策工事に約26億円。
河川改修をすると橋桁まで水位が上がらず流れがぶつかるのを防げる一方、流れは速くなるため、ほかの10橋梁の補強が必要になるという。10年の豪雨災害の復旧費用は約13億円で、4倍以上に上る。
JR西はまた、現在は厚狭―長門市間で1日9往復の代行バスを13往復に増やし、増便したバスを快速として運行することで利便性向上の効果を検証する実証調査を10月1日から行いたい意向を示した。
部会は、鉄道による復旧と、鉄道以外の交通手段による復旧について、利便性やコストなどのメリットとデメリットを調査・検討するため、各機関の課長級で設けられた。部会としては結果を来年5月に予定する総会に報告する。部会では1案に絞り込まないという。
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