「芸備線を救うため」沿線の高校進学 SNSで発信・ボランティアも
矢代正晶
「日本一の秘境ターミナル駅」とも呼ばれるJR芸備線の備後落合駅。広島県北部の庄原市の山あいにある、この無人駅に7月の土曜朝、10人のボランティアが集まった。
島根方面に向かう木次線の出発駅でもあり、構内には蒸気機関車用の転車台も残る。そんな駅をきれいにしようと、数カ月に1度、SNSでつながる鉄道ファンが駅舎やトイレの掃除、草むしりに汗を流す。
「昔の芸備線の面影が感じられるのが、この駅の魅力」。ボランティアの一人、県立三次高校1年の武原寿明(としあき)さん(16)が教えてくれた。武原さんは入学直後の4月に初めて参加。この日も、1日3本しか止まらない木次線の発着ホームにしゃがみ込み、黙々と雑草を引き抜いた。
シリーズ 線路は続くか
赤字ローカル線の問題を、現場取材やインタビューを重ねて深めていきます。
「若い人が熱心にやってくれるのは本当に心強い」。近くに住む元国鉄職員で、駅のボランティアガイドをほぼ毎日務める永橋則夫さん(81)は目を細める。
生徒有志が「盛り上げる会」立ち上げ
幼い頃から鉄道を愛する武原…