福家司
香川県三豊市のJR比地大駅前にある私設鉄道博物館「Kトレインワールド」が9月、5周年を迎える。記念イベントが続々と始まっている。これまで訪れた人は、家族連れを中心に5万人近くに上っている。
館長の木川泰弘さん(67)が長年収集してきた品々を生かし、鉄道ファンに限らずあらゆる世代の人が楽しめる場をつくろうと、2019年9月15日にオープンした。
1周年と3周年には同館を訪れるイベント列車を運行。昨年は「鉄道の神様」と呼ばれるJR東海顧問の須田寛さんの訪問もあった。
趣向を凝らした企画展は今回で35回目になる。「東海道新幹線開通60周年」をテーマに、戦前から東海道新幹線開業までの東海道線の歴史も合わせてたどっている。
客車特急「つばめ」や電車特急「こだま」のヘッドマークの原寸大レプリカをはじめ、珍しい新幹線の試作車の模型、実際に使われた新幹線の列車名表示板(サボ)なども展示されている。
5周年を記念し、初めて愛媛県西条市の四国鉄道文化館とコラボしたスタンプラリーでは、両館でスタンプを押した人がオリジナル缶バッジをもらえる。台紙は両館にあり、8月31日まで。
今年4~6月に募集されたフォトコンテストには「鉄道全般」「Kトレインワールド」の2部門に計114点の応募があった。スタッフらによる1次審査を通過した13点を館内に展示している。この中から来館者の投票と、特別審査員のJR四国ものがたり列車推進室長、松岡哲也さんと高松市の鉄道カメラマン坪内政美さんの最終審査で入賞作が選ばれ、開館記念日に表彰される。
来館者のノートには「鉄オタから幼い子どもまで満足できる場所」(岡山県、66歳)、「4歳の息子が気に入り、2日連続でお邪魔しました」(茨城県)、「全国各地の鉄道ミュージアムに行ってきましたが、ここが一番楽しかったです!」(広島県)などの言葉が並んでいる。
木川さんは「これからも鉄道の歴史、文化に親しみ、学習することを通じて、地域のにぎわい創出に貢献したい」と話している。
土日祝日の午前10時~午後4時に開館。入館料500円。問い合わせはKトレインワールド(050・7115・6203)。(福家司)