普通・快速列車22本削減 JR四国9月ダイヤ改定

福家司
[PR]

 JR四国は9月29日に予讃線と土讃線で一部ダイヤ改定を実施すると発表した。香川、愛媛両県で普通・快速列車22本(一部区間を含む)の運転を取りやめる。利用客がコロナ禍前まで回復するめどが立たないことや乗務員不足を理由としている。本格的な列車本数の削減に踏み切るのは3年ぶり。

 運転取りやめは、高松―多度津間、多度津―観音寺間、今治―松山間など全区間17本と一部区間5本。いずれも早朝~午前または夕方~深夜の通勤通学時間帯が中心。前後の列車のダイヤを取りやめる列車に近づけ、車両数を増やすなどして可能な限り利便性の低下を防ぐという。

 たとえば、削減される列車で最多の1日345人(平日)が利用する午前7時14分観音寺発高松行き快速サンポートは、直後の高松行き普通列車の発車を11分早め、1両増結して4両とする。

 また、最終列車が繰り上がる下りの伊予中山駅には特急宇和海を、上りの鴨川、国分、端岡、鬼無の各駅には快速マリンライナーを新たに停車させる。

 ダイヤ改定は松山駅の高架駅開業に合わせて実施。同駅では予讃線の特急「しおかぜ・いしづち」と「宇和海」が対面のホームで乗り換えられるようになる。現在の同一ホームでの縦列停車が解消され、乗り換えが便利になる。また、上りの宇和海は松山駅進入時の一時停車がなくなり、所要時間が1分程度短縮される。

 同社運輸課によると、鉄道の利用者は昨年度、定期がコロナ禍前の9割、定期外が8割にとどまり、今後も増える見込みは少ない。また、今年度の採用数が計画を下回り、離職者も出るなど乗務員不足も続いているとしている。

 担当者は「高松、松山地区は列車本数が多いため代替手段が確保しやすく、通勤通学時間帯は乗務員の必要数が多いので、乗務を減らす効果も大きい。ご不便をおかけするが、ご理解をいただきたい」としている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません