東武東上線が今年で開業110周年 記念列車の運行、関連グッズも

稲垣直人
[PR]

 埼玉と東京・池袋をつなぐ東武東上線が今年、開業110周年を迎えた。13日には節目を祝うイベントがあり、記念ツアーの臨時列車が運行する。様々な公式記念グッズも販売している。

 13日午前11時~午後3時、東武百貨店池袋店8階の屋上広場では、子どもを対象にした駅員の制服着用体験、非常停止ボタンの操作体験、沿線自治体PRなどのイベントがある。

 記念ツアー臨時列車(10両編成、9000系)も運行する。コースは森林公園駅から池袋駅まで。乗車には事前の応募が必要だが、早々に定員の200人に達して締め切られ、キャンセル待ちとなっている。

 記念グッズも数多く発売中だ。東武グループ企業の東武商事は10日、東上線の座席指定特急「TJライナー」(50000系50090型)のプラレール(税込み3300円)や、車両の側面に行き先の駅を表示する装置を模した「ミニミニ方向幕」(同2420円)などの発売を始めた(詳細は同社ホームページhttps://www.tobushoji.co.jp/別ウインドウで開きます)。

 鉄道グッズの取り扱いでも知られる都内の大型書店「書泉」も、東武鉄道とのコラボで、トートバッグやキーホルダー、廃駅・旧駅名も併記した東上線の路線図入りクリアファイルなど計21点を店頭やネットで販売している(一部は売り切れの可能性もあるため、詳細は東京・神保町秋葉原などの店舗やホームページhttps://shosen.tokyo別ウインドウで開きますで)。

 東上線は1914(大正3)年5月1日、東武鉄道に合併する前の東上鉄道が池袋―田面沢(たのもざわ)(いまの川越市駅と霞ケ関駅の間)間で開業した。当初の駅は志木や鶴瀬などわずか九つだった。

 東武博物館(東京都墨田区)などによると、終着の田面沢駅は開業後約2年半で廃止され、詳しい史料が残っていないことから、いまも具体的な位置がよく分かっていない「幻の駅」とも言われる。

 このほか、東上線の歴史でよく話題となるのが、その名の由来だ。西のほうに延びているのになぜ東上なのか。

 その根拠を明確に示す記録はないとされるが、東京と上州(現在の群馬県)を結ぶ計画が当初あったことに由来するとの説がある。「東武鉄道百年史 資料編」(1998年刊)には、群馬県渋川町への延伸計画があったものの実現せず、東上という名はその名残という趣旨の記述がある。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません