球児メシ 一つ300円の具材たっぷりケバブ 東京高専生の癒やし

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吉村駿
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 毎週火、金曜日の練習後、東京高専の硬式野球部員にとって、お待ちかねの時間が始まる。午後7時前に練習を終えると、歩いて8分の京王線・狭間駅の方へ。お目当ては、駅近くに来るキッチンカーの人気メニューだ。

 パンに挟まっているのは、あふれんばかりの鶏肉とキャベツ。チリ、マヨバジル、オーロラの3種類のソースから選ぶことができるケバブだ。

 主将の岡本琉聖君(3年)は、1年時から通い続ける常連。「練習が終わった後に、ここでホッと一息つけるんです」。いつも、キッチンカーの前で仲間と食べる。テストの点数や進路の話題、その日に学校であったできごと――。食べ終わるまでの10分間、たわいもない会話で盛り上がるときが、至福だという。

 岡本君は、青梅市の自宅から電車を乗り継ぎ1時間半ほどかけて通っている。「家が遠い部員にとっては、軽い夜ごはん。おいしいから何個でも食べられる」。でも、食べ過ぎると自宅で夜ご飯が入らなくなる。だから、一つだけで我慢しているそうだ。

 ケバブをつくるのは、八王子市の岡林信夫さん(62)。トルコ人の知人から作り方を教わったのを機に、12年ほど前から売るように。週2回は主に多摩地域を回り、午後5時すぎに狭間駅の近くに到着する。

 ここで売り始めて10年ほど。「食べ盛りの子たちがおいしそうに食べる姿をみるのは幸せですよ。こっちが元気になる」

 特に自分から部員たちに話し…

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この記事を書いた人
吉村駿
東京社会部
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事件・事故、スポーツ、生き物