「東九州新幹線」期成会設立を知事に要望 北九州・京築の経済団体

福井万穂
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 国の基本計画決定から半世紀にわたって棚上げが続く「東九州新幹線」をめぐり、福岡県北九州と京築地区の商工会議所や商工会が、整備への機運を高めようと動いている。12日には服部誠太郎・福岡県知事と面会し、県内での期成会設立を求める要望書を提出した。

 東九州新幹線は、福岡市を始点に、大分市付近、宮崎市付近を通り、鹿児島市を終点とする路線。四国新幹線(大阪市~四国~大分市)などと同様に、1973年に「基本計画路線」に位置づけられた。実現にはまず、「整備計画路線」への格上げが必要で、開業にはさらに長い年月を要する。

 具体的なルートはまだ決まっていない。沿線の福岡、大分、宮崎、鹿児島の4県と北九州市などでつくる鉄道建設促進期成会が2015年度に行った調査は、小倉駅(北九州市)を通る日豊線沿いのルートを想定した。

 ただ、大分県は昨年11月、このルートのほかに、博多駅から新鳥栖経由で大分につなぐ「久大線沿いルート」についても比較調査を実施。費用対効果は「ほぼ同等」と結論づけた。また宮崎県も、九州新幹線の新八代駅(熊本県)と宮崎市を結ぶ新たなルートを調査対象にするなど、北九州と京築地区を整備区間に含まない案が浮上している。

 今回、要望書を受け取った服部知事は「日豊線沿いという基本に立ち返って議論を進めたい」と語り、期成会設立を早期に検討するとした。

 北九州商工会議所の津田純嗣会頭は取材に対し、「東九州(新幹線)の話が世の中から少し消えている。半導体に対する投資が非常に大きくなってきている今、九州の人とモノをしっかりつなぐルートをつくり、相乗効果を高めたい」。日豊線ルート以外の案が出ていることについては、「色々な検討をすることは問題ではない」としつつ、本命は日豊線沿いとの考えを強調した。

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この記事を書いた人
福井万穂
西部報道センター|行政
専門・関心分野
沖縄、水俣、教育