築100年の讃岐財田駅、解体前に感謝のイベント 香川県三豊市で

福家司
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 JR土讃線の讃岐財田駅(香川県三豊市)の築約100年の駅舎が老朽化に伴い解体されるのを前に、地元のNPO法人などが29日、感謝のイベントを開いた。

 同駅の駅舎は1923(大正12)年建築で、駅前には樹齢約700年ともいわれるタブノキの巨木が立つ。老朽化した木造駅舎の簡素化を進めているJR四国は、来月にも駅舎を取り壊し、簡易な駅舎に建て替える予定。

 長い間利用者を見守ってきた駅舎への感謝の気持ちを表そうと、NPO法人まちづくり推進隊財田がスケッチ会を、財田町公民館が駅舎周辺の史跡巡りを企画。県西部を中心に合わせて33人が参加した。

 丸亀市金倉町の会社員、秦靖人さん(48)は「この駅の雰囲気が好きで、列車の撮影などに20年ぐらい通っていたので、駅舎の解体は悲しい。最後の思い出づくりに来ました」と話し、熱心に絵筆を動かしていた。秦さんは同駅の古い駅銘板などを持参し、参加者らは撮影を楽しんだ。

 さらに、参加者らはホームに出て「ありがとう!想い出の財田駅舎記念イベント」の横断幕を掲げ、到着する観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を出迎え、発車を見送った。

 駅舎内にはメッセージボードも5月上旬まで設置され、駅舎への感謝と思い出を自由に記すことができる。駅舎の撤去後は同公民館に展示されるという。(福家司)

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