「駅前」と呼ばれ続ける場所 廃線から17年、鹿島鉄道の沿線はいま

有料記事

藤田大道 原田悠自
[PR]

 「地元の人の間では、ここはまだ『駅前』と呼ぶんです」

 霞ケ浦のすぐ北に位置する茨城県小美玉市の玉里地区。和洋菓子店「菓子工房nagai」を営む永井誠さん(76)は、目の前にある小さなバスロータリーを眺めながら、そう言った。

 ここは石岡、鉾田の両市を結ぶ鹿島鉄道線の常陸小川駅があった場所。利用客の減少で2007年に廃線となり、駅も姿を消した。

 戦後すぐの1947年に創業して以来、この地で店を構える。バブル期の90年代前半ごろまでは、数駅離れた工業団地で働く人や通学する高校生たちが朝夕に店をのぞき、うれしそうにお菓子を買っていった。

 30年ほど前からだ。マイカ…

この記事は有料記事です。残り1289文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません