新規採用職員に対する訓示で不適切な発言があったとして辞職を表明していた川勝平太・静岡県知事が3日、臨時で記者会見を開き、辞職を決めた経緯について改めて説明した。川勝氏はリニア中央新幹線をめぐる問題を最大の理由に挙げ、「大きな区切りを迎えた」と述べた。
自身の不適切な発言も辞職の理由の一つといい、「人の心に傷をつけたことは大きい。意図せざるかたちで人が傷ついているということを指摘を受けて知った。大きく反省すべきことだ」と陳謝した。
リニア工事は2014年12月に着工。静岡工区の着工は、川勝氏が自然環境への影響を理由に認めず、開業は当初予定の27年から最速でも34年にずれ込むことが決定的になった。川勝氏はこうした事態を3月29日に知って「仰天した」と言い、「従来の工事計画の根本的な見直しになる」と指摘。JR東海側が公の場で見通しを明言した点を「非常に大きいことだ」と評価した。
一方、不適切な発言があったのは4月1日。川勝氏は「県庁はシンクタンクです。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりということと違って、皆様方は頭脳、知性の高い方です」と述べ、職業差別になりかねないなどと批判を受けた。
これを受けて川勝氏は2日、発言の真意を報道陣に説明。「不愉快な思いをされたということであれば、誠に申し訳なく思う」と述べ、「6月の議会をもって、この職を辞そうと思っております」と辞職の意向を示していた。