ホームドアの車両改修費が1千分の1に、ひらめきと工夫で

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 東京都交通局が管理する都営地下鉄4路線の全駅で昨年、ホームドア設置が終わった。ホームドア導入には車両の改修も必要で、従来の方法だと、最後まで残っていた浅草線では約20億円が必要と試算された。それが、都職員の工夫により、わずか270万円で可能になった。

 これまで都営地下鉄では、無線を使って車両の扉とホームドアを連動させるシステムを使用していた。浅草線には都交通局以外に4社が乗り入れており、他社にも1編成あたり数千万円をかけた車両改修が必要となる。

 節約策を考えついたのは、都交通局で当時、ホームドアの技術開発を担当する統括課長代理だった岡本誠司さん(63)。QRコードの商標を持つ「デンソーウェーブ」と協力し、電車の扉に貼り付けたQRコードをカメラが読み取り、ホームドアの動きと連動させる仕組みを開発した。

 2019年に新橋駅で初めて導入され、浅草線の他の駅でも広がった。

 都交通局によると、ホームドア本体や工事費などを含む事業費全体は、予算ベースで115億2500万円だった。

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