汚名返上へ!観光列車にトイレ設置 CF返礼品は車内のイスやソファ

池田孝昭
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 のんびりと車窓を楽しんでもらおうと、長良川鉄道(本社・岐阜県関市)は、観光列車「ながら」にトイレを設置する。クラウドファンディング(CF)で鉄道ファンらから資金を募る。トイレ設置で撤去する椅子やテーブルも返礼品に加えた。

 「ながら」は2016年4月に運行が始まった。ランチやスイーツを味わいながら長良川の清流と里山の景色を楽しめる。利用客はシニア層が中心で、「車内にトイレが欲しい」という声が多く寄せられていた。

 「資金難もあってトイレ設置の余裕がなかった。トイレのない観光列車と、テレビ番組で取り上げられたこともあり、コンプレックスだった」と総務部の村井義徳さん(42)。食事を提供する鮎(あゆ)号へのトイレ設置を決めた。

 19年度には約2300人が利用したが、20年度はコロナ禍の影響で約800人に激減。22年度に約1400人まで回復したが、コロナ禍前の水準には戻っていない。トイレ設置で利用客を取り戻したいという狙いもある。

 車両は、各地の観光列車を手がけた水戸岡鋭治さんがデザイン。トイレの内装も統一感を出すため、水戸岡さんに依頼した。費用は車両基地の下水管敷設工事も含めて約1750万円。うち9割は国や県からの補助金で賄い、残りをCFのサイト「CAMPFIRE」で22日から2月末まで募っている。

 目標額は200万円。返礼品は寄付額に応じて、水戸岡さんデザインの1日乗車券、ながら乗務員バッジなどがある。

 目玉はトイレ設置のために撤去するテーブルやソファ、間仕切りガラスなどの備品。2人掛けのソファは82万円の寄付で受け取れる。関駅での引き取りが条件だが、村井さんは「水戸岡デザインのレアものです。鉄道ファンの方にぜひ協力してほしい」と呼びかけている。

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