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　ピンク色や黄色、水色……。同じ三角屋根のカラフルな住宅が丘の斜面に並ぶ。神奈川県平塚市の湘南日向岡（ひなたおか）住宅。東海道新幹線の新横浜―小田原駅間の車窓から見ることができるので、ご存じの人がいるかもしれない。「ジブリみたいな風景」とSNSでは話題になった。

　おしゃれな家が並び、欧米の住宅街に来たような感覚に包まれる。家と家の間からはパノラマのような眺望が見渡せた。新幹線が通る田畑と、その奥には湘南の海。天気が良い日は富士山も見えるという。この見晴らしを気に入り、移り住んだ人が多いと聞いて納得した。

　この住宅地の大きな特徴は傾斜地であること。坂の上にある中学校は、安全のため自転車通学を制限しているほどだ。駅からバスで25分と地理的不利があるため、開発を手がけた東急グループが考えたのがこの特徴的な住宅だった。新幹線から見られることを意識し、当時の担当者たちがあれこれ工夫をしたそうだ。

　1980年後半に分譲が始ま…