水戸京成百貨店の雇調金詐欺事件 苦境にあえぐ地方百貨店の事情は

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宮廻潤子 原田悠自 谷瞳児 中野浩至
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 国の雇用調整助成金(雇調金)をだまし取ったとして、茨城県警は18日、京成電鉄千葉県)の子会社でデパートなどを展開する水戸京成百貨店(水戸市)元社長、斎藤貢容疑者(66)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。捜査関係者によると、容疑を否認しているという。

 県警によると、斎藤元社長は従業員らと共謀のうえ、実際には出勤していた従業員の勤務データを改ざんし、休業日を水増しした虚偽の雇調金申請書を茨城労働局に提出。2020年9~10月の間に2回、雇調金計約1億3300万円を詐取した疑いがある。

 京成電鉄や弁護士による調査チームは23年1月、当時の総務部長(57)が、コロナ禍で赤字になるのを恐れて総務部内の人事担当者ら4人に改ざんを指示したとの報告書を公表。20年4月から22年8月分として受給した、のべ2万3795人分の約3億円の雇調金などを不正と認定した。

 県警は昨年3月、同社や元総務部長の自宅を家宅捜索した。押収品の分析や職員らの事情聴取などを重ね、斎藤元社長が当時、不正受給を認識していたと判断した。

 斎藤元社長は昨年11、12月、朝日新聞の取材に複数回応じた。「雇調金の制度があるのだから『もらえるものはもらえ』という話は部下(元総務部長)にしたが、『改ざんしてまでもらえ』なんて指示はしない」と関与を否定。「不正をしているとは知らなかった。赤字を出さないために、部下が勝手に極端な方法をとって行動しただけだ」と話していた。(宮廻潤子、原田悠自)

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