観光用のトロッコ電車で知られる黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)は9日、線路が走る鐘釣橋の一部が、能登半島地震の影響で破損したと発表した。いまは冬季運休中だが、4月20日以降の営業再開に響くおそれがある。

 同鉄道は黒部市の宇奈月駅―欅平(けやきだいら)駅の約20キロを走る。鐘釣橋(長さ約86メートル)は宇奈月駅から約14キロ上流の黒部川にかかっており、紅葉の名所でもある。

 地震後の3日、宇奈月駅側のトンネルの雪よけ出口から約10メートルの位置にある橋桁や枕木が壊れているのを確認。近くの山からの落石によるものとみられる。担当者は「復旧工事は雪解け後になる。いつから運行を準備できるか今は見通せない」と話す。

 欅平駅は6月30日に一般開放される「黒部宇奈月キャニオンルート」の起点になる。

 なお、宇奈月駅から約600メートル先の新山彦橋までをトロッコで行く「冬の黒部峡谷プレミアムツアー」(2月12日までの土日祝日)は予定通り催行する。(小西良昭)