「高輪築堤」とみられる石垣出土 田町駅近く、羽田アクセス線予定地

細沢礼輝 滝沢貴大
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 東京都港区のJR田町駅近くで、約150年前に造られた「高輪築堤」の遺構とみられる石垣が見つかった。JR東日本や区教育委員会への取材でわかった。東京駅羽田空港を結ぶ新線計画「羽田空港アクセス線」の工事予定地にあり、JR東は工期への影響などを今後精査するという。

 JR東などによると、東京駅と羽田空港を直通18分で結ぶ新線計画「羽田空港アクセス線・東山手ルート」を今年6月に着工。これに先立ち、昨年7月から今年6月にかけて、新ルートがJR東海道線に乗り入れる田町駅付近の工事予定地を試掘したところ、田町駅の北東約100メートルの地下4カ所で石積みが見つかったという。

 JR東は区教委に報告。今後は、高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発予定地で築堤が出土した際に立ち上げた有識者による検討委員会で、調査、保存方法について議論を進めてもらう予定だ。2031年度開業をめざすアクセス線の工期に影響があるかどうかは、検討委の議論などを踏まえて精査していくという。

 高輪築堤は1872年に日本初の鉄道(新橋―横浜間)が開業した際に海上に築かれた堤。明治末期以降に撤去されたと考えられていたが、2019年以降、JR高輪ゲートウェイ駅前の車両基地跡などから相次いで発見されていた。JR東は、このうち国の史跡に指定された2カ所計120メートルを現地保存することを決め、他は記録を取って解体している。(細沢礼輝、滝沢貴大)

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