ローカル線の将来像を議論する「再構築協議会」の仕組みが10月から動き出しました。JR西日本が見直し論議を提起し、3日に国に協議会の設置を要請したのが岡山と広島を走る芸備線。地元はどう向き合うのか。伊原木隆太・岡山県知事に聞きました。

シリーズ 線路は続くか
ローカル鉄道の問題を現場から考えます。国交相やJR西の関係者らへのインタビューもお伝えしています。

 ――JR西日本が芸備線の見直し論議を国に要請します。岡山県の対応は。

 沿線の新見市、広島県とも相談して決めるが、一般論として、何らかの協議が必要なのは間違いない。JRによる国への「再構築協議会」の設置要請は、我々からすれば不利益変更の申し出に近い。従来通り路線を維持してくれれば言うことはない。

 だが、解決を先延ばしして、もっと大変な事態になるかもしれないなら、どこかの時点で互いの状況を持ち寄って解決策を探るのは大事なことだ。

 ――国が関与する協議会を、どう評価しますか。

 協議会のあり方に大きな違和感はない。国が関与するという形も、我々が望んでいたものだ。

 バスを例にとれば、市町村をまたぐ路線かどうかが県の関与を決める基準だ。同様に、県境を越える路線の問題は、県単位では解決が難しい。国の出番だ。

 鉄道でいえば、採算がとれないからと、仮にほんの1キロの線路を廃止しただけでネットワークとして機能しなくなる。採算性だけでなく、ネットワークの価値をどう考えるかという観点でも国の関与は歓迎するし、心強い。

「後戻りできない交渉、後悔なきよう」

 ――国になにを望むか。

 JRと我々の主張に大きな隔た…

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