西九州新幹線で不便になった駅 復活のカギ「速さ」でなく「遅さ」

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岡田将平
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 9月中旬、佐賀県鹿島市内の80代男性は、肥前鹿島駅で時刻表に目を通すと、こう漏らした。「不便ですよね。本数がだいぶ少なくなって」

 男性が指摘するのは、この駅を出発する在来線の特急の本数。用事で鳥栖市方面に行くためのダイヤを調べると、午前7時台と9時台の列車はあるが、ちょうどいい8時台はない。「もう1本くらいあれば」とつぶやいた。

 武雄温泉―長崎間を結ぶ昨年9月23日の西九州新幹線開業により、特急の数は大きく減った。長崎と博多を結ぶ主なルートにあった肥前鹿島駅では発着する特急が1日上下計45本から14本に。利便性が低下する中、この1年、県を中心に肥前鹿島駅周辺の再開発計画が進められてきた。

■築90年超の駅舎も活用…

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この記事を書いた人
岡田将平
佐賀総局
専門・関心分野
平和、戦争体験の記録・継承、地方