メタバースに名鉄名古屋駅が登場 あの「DJブース」で案内体験も
名鉄名古屋駅のややこしい列車案内を間違えずに言えるか――。名古屋鉄道が、インターネットの仮想空間「メタバース」上に、「バーチャル名鉄名古屋ステーション」をオープンした。全国でも例を見ない複雑な列車発着の案内アナウンスも体験できる。9月3日までの期間限定。
同社が進める先端技術を活用した取り組みの一環で、メタバースを使った事業可能性を検証するのが目的だ。
測量データを使い駅構内を忠実にCGで再現した。ポスターやベンチなど設置物もそっくりで、自分の分身であるアバターを操作してホームを歩き回ることができる。「3500系」や「1200系」の電車が入線する様子も見られるほか、停車中の車内を歩くこともできる。
1日あたり約25万5千人の利用がある同駅。その列車運行の過密さはファンの間でも有名だ。2本の線路に、特急や急行など7種類の種別、29通りの行き先、2~8両編成の列車が行き来する。
ラッシュ時にはこれらが2分おきに発着する。あまりにも複雑すぎるため、案内アナウンスは自動放送では対応できず、ホームにある「運転室」にいる係員が人力で放送している。
この運転室は「DJブース」とも呼ばれ、メタバース上にも再現。中に入ると係員になりきって、表示や資料を見ながら案内アナウンスの腕試しができる。
同社の担当者は「全国の鉄道ファンに名鉄名古屋駅を楽しんでほしい」としている。Windowsパソコンでソフトをダウンロードする(無料)。
26、27日にはVR(仮想現実)機器を使った一般向けの体験会が、名古屋市中村区の名鉄百貨店本店8階である。両日とも午後1~6時。詳細は公式サイト(https://www.meitetsu.co.jp/moilab/vmns/)。