幸せの黄色い…見られる確率がレアな「作業車」 名鉄で9月からGO

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臼井昭仁
【動画】名古屋鉄道が導入した新型「マルタイ」=臼井昭仁撮影
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 名古屋鉄道名古屋市)が、保線作業にあたる新型の車両を導入した。9月から運用を始めるが活動は夜中で、なかなかお目にかかれない。ダイヤも非公表。車体は「名鉄スカーレット」の赤色ではなく黄色で、新幹線の点検車両「ドクターイエロー」と同様、根強い人気がある。

 導入したのはマルチプルタイタンパー、略称マルタイ。全長22メートル、幅2・8メートル、高さ4メートル。線路のゆがみを直すための作業車で、下部の装置で線路をつかんで持ち上げ、敷かれた砕石(バラスト)を突き固める。乗り心地の向上に大きな役割を果たしている。

 ディーゼルエンジンで自走し、大きなゆがみが生じた路線に駆けつける。営業運転時間外の夜中に作業をする。一晩で人力では100メートルのところを、マルタイなら1キロはこなせるという。値段は「数億円」で非公表としているが、保線作業の人手不足が慢性化する中、欠かせない車両だ。

 オーストリアの保線機械メーカー「プラッサー&トイラー」製で、油圧装置などの油は、環境に優しい分解しやすいものを使う。

 名鉄は、マルタイを1991年から導入。今回の新型車により98年製を廃車にし、2015年製との2台体制に。稼働日数はともに約150日。愛知、岐阜にまたがる名鉄の営業路線のうち、瀬戸線を除く424キロへ出動するのは年1回程度で、一般の目に触れる機会は少ない。

 同社鉄道事業本部・土木課の担当者によると、運行計画は公にしていないが、夜中のマルタイの作業中、周囲にカメラを持った「ファン」が現れることは珍しくないという。

 新型車を今年、名古屋市南区

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この記事を書いた人
臼井昭仁
半田支局長
専門・関心分野
農林水産業、運輸、過疎問題