南阿蘇鉄道、地震から7年ぶり全線再開 喜びの住民とベテラン運転士

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城戸康秀
【動画】南阿蘇鉄道が7年3カ月ぶり全線再開 復活した絶景のアーチ橋を列車が走る=城戸康秀、山本壮一郎撮影
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 2016年4月の熊本地震で被災した第三セクター南阿蘇鉄道」(本社・熊本県高森町)が15日、7年3カ月ぶりに全線(17・7キロ)での運行を再開した。被害が大きく不通となっていた南阿蘇村の中松―立野間(10・6キロ)が復旧し、立野からJR豊肥線肥後大津駅大津町)への乗り入れ(9・7キロ)も始まった。

 不通区間にあった駅では保育園児らも加わって地元の人たちが出迎え、全国から集まった鉄道ファンらと車窓越しに喜びをわかちあった。

 南阿蘇鉄道は全10駅のうち9駅が無人。運休で鉄道利用客がいなかった区間も含め、駅舎は飲食店を営むなどして守られてきた。中松駅では高嶋千恵さん(51)が「大人も子どもも楽しめる秘密基地に」と、おもちゃを飾るカフェを被災直後から経営。この日、列車が入るたびにホームで小旗を振った。

 中松駅は全線復旧によって「折り返し駅」から「途中駅」になり、列車はドアを開け閉めして去っていく。店主としては不安も膨らむが、年齢や列車に乗る乗らないを問わない、地元の人たちの「最寄り駅」を目指すという。

 人々をつなぐ場として「駅は守る」。地元の人たちや鉄道ファンでごった返す祝賀ムードの中で、覚悟を新たにしていた。(城戸康秀)

 住民らが沿線で歓迎する中、一番列車を任されたベテラン運転士は「一人でも多くの方々に完全復活した姿を楽しんでほしい」と喜びをかみしめた。

 「出発進行」。白い手袋の人…

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