「希望の年休が取れない」と訴えたJR東海の元車掌が敗訴 大阪地裁

山本逸生
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 JR東海東海道新幹線で車掌として働いていた大阪府内の男性(68)が「年次有給休暇を希望通り取れなかった」として、同社に40万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(横田昌紀裁判長)は6日、請求を棄却する判決を言い渡した。

 判決によると、男性は2015~16年度に計128日、日付を指定して年休を希望したが、95日は変更となり、7日分を消化できなかった。

 労働基準法は、会社は労働者の希望する日に年休を与えなければならないと定める。ただ、「正常な事業運営を妨げる場合」は、会社は取得日を変更できるとしている。同社の対応がこの例外に当たるかが争われた。

 同社では前月20日までに年休希望を受け付けるが、5日前まで確定しないことが多かった。判決は「臨時列車の乗務員を手配することは事業運営上、必要。こうした事情が勤務確定を困難にしている」などと指摘し、同社の対応を適法とした。男性は控訴する方針。

 同社を巡っては、新幹線運転士ら6人が起こした同様の訴訟で、東京地裁が3月、計54万円の賠償を命じており、両地裁で判断が分かれた。

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この記事を書いた人
山本逸生
国際報道部
専門・関心分野
格差、事件、労働