1期生は4人→いま80人 東海道新幹線、女性運転士誕生から20年
東海道新幹線の女性運転士が誕生して20日で20年。駅のホームで女性運転士を見かけるのは当たり前になった。現在も新幹線の仕事に携わる初代運転士は、「いろいろな働き方ができる時代。何事にもチャレンジして」と後輩たちにエールを送る。
東海道新幹線に4人の女性運転士がデビューしたのは、2003年6月20日。中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行が広がり、「なんでだろう~」「勝ちたいんや!」が流行語となった年だ。
秋山(旧姓・藤林)紀子さん(46)は、JR東海で運転業務一筋の「専門職」として初めて資格を取得した4人のうちの1人だった。
この日午前、新大阪駅から「こだま412号」に乗り込み、名古屋駅まで運転レバーを握った。車両は100系。「自分が乗客を目的地まで安全に運ぶんだという責任感と使命感。気が抜けませんでした」。1時間以上かかる名古屋まであっという間に感じたといい、到着した時は「ほっとした」。
運転士だった父にあこがれ、父と同じ道をめざした。同時期、運転士になるための訓練や研修を受けた社員は約20人いて、うち女性は4人。デビューすると新聞やテレビに大きく取り上げられた。「たまたまなっただけで、『そんなにすごいことなのか』と戸惑いました」と苦笑する。
それからフルタイムの運転士として3年間乗務した。その後も、内勤をしながら、新幹線が遅延した時や、要員が必要な時などに臨時で運転士を務めた。研修センターの講師や育休を経て乗務員として復帰。4年前まで臨時の運転士や車掌などを続けてきた。今年3月からは大阪第二運輸所の助役(管理職)に就き、運転士の養成や訓練などに携わっている。
女性ならではの苦労もあった。新幹線運転士は泊まり勤務が基本。家族のサポートがなければ続けられない。女性運転士の1期生として注目されただけに、「今後の女性の活躍の妨げにならないよう、失敗できないプレッシャーがあった。それがモチベーションにつながり、今があると思います」。
深夜労働を伴う鉄道事業は、女性が進出しにくい職場だった。1999年に改正労働基準法が施行され女性の深夜勤務が可能になると、その後は女性社員が増えた。JR東海によると、東海道新幹線の運転士業務に従事する女性社員は現在、約80人。20年間で20倍に増えた。駅員や車掌、運転士を含め約2950人のうち約17%が女性という。
乗務員が子育てと両立しやす…
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- 【視点】
新幹線の車内業務でいえば、車内販売などの接客を担当するパーサー。この記事で取り上げられている運転士は男性が多いのに対して、パーサーは女性が多い職種だ。男性が多い職場で女性が能力を発揮しやすい職場風土を醸成していくことと、女性が多い職場で男性
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