19日午後2時ごろ、福岡市営地下鉄福岡空港駅で、客が「刃物を持った人が車内にいる」と、ホームにいた乗務員に伝え、地下鉄関係者が110番通報した。

 6両編成の列車は出発し、次の駅にあたる東比恵駅で停車。「3~4号車に刃物を持った人がいるので注意してください」「コンコース、改札機のある階に避難してください」と車内放送を流し、乗客約150人を避難させた。

 駅関係者などによると、午後2時10分ごろ、さすまたなどを持った県警博多署員が到着し、車内や駅を捜索。刃物を所持していた男性を確認した。

 署が男性に事情を聴いたところ、男性は料理人で、バッグに仕事用の包丁を数本所持していたという。バッグに入っていた包丁の柄の向きを変えようとした際、周囲に見えたとみられる。署は違法性がないと判断した。

 地下鉄は午後2時18分に運転を再開した。地下鉄関係者は「お客様にご迷惑をかけましたが、情報が少ない中、安全を優先するため、マニュアル通りに避難誘導を進めました」と話した。(鈴木優香)