妻からの贈り物が見つかった! 忘れ物にJR西日本流のおもてなし

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小西良昭
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 富山へ転勤するため、5月の連休に京都から乗った特急列車で忘れ物をした。翌朝に気づき、記者(58)はJR富山駅に相談。「それらしき物は金沢駅へ回送中です」と、3分も待たずに返事をもらった。その手際に驚き、厚かましくも、JR西日本に取材をお願いした。

 「金沢駅で降りた特急サンダーバード何号の×号車で金属バンドの国産腕時計。メーカーは……」。前日に降りた富山駅の新幹線改札口で記者が申し出ると、駅員が専用のシステムで探索してくれたのだ。

 JR西の金沢支社によると、社員、清掃者、乗客らから届く忘れ物は列車名・号車、座席位置、網棚か席か、駅ならばコンコースか何番ホームか、どのトイレかなど場所を詳しく記録。品物の色や特徴、写真もなるべく登録する仕組みだ。

 JR西の忘れ物件数は2005年度の約61万件から、19年度は約120万件に倍増した。使い捨て商品の普及などが背景にあるとみられるが、JRは「大切な物」として全て登録するので、件数が増えるという。お盆や年末年始、大型連休など旅行時期は列車も増発し、忘れ物も増える。雨の日は傘が、冬は手袋やマフラーが多い。

 金沢支社管内(福井県新潟県西部)の忘れ物は、22年度に6万2千件。1日約170件に上る。

 持ち主に返る割合はJR西全体で3割。携帯電話は9割、定期券やカードケース、財布は8割が返る一方で、衣類や傘は2割以下だ。より貴重な品は、持ち主が諦めずに捜すようだ。

 最近多い忘れ物は、小旅行でも使う人が増えたスーツケース。とくに車両最後部のスペースに置き忘れる。無線イヤホンも増えた。

こんなときに忘れ物……あるある

 どんなときに、忘れ物をしやすいのか。

 金沢支社駅業務課の酒井和恵…

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