高速バスのトランクに閉じ込め走行 JR四国バス 客「怖かった」

福家司
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 JR四国バスが運行する高速バスで今年2月、荷物を取り出そうとした乗客1人に気づかず、トランクに閉じ込めたまま徳島市内を走行したと、四国運輸局が24日、明らかにした。

 運輸局とJR四国バスによると、JR松山駅発徳島駅行きの高速バス「吉野川エクスプレス号」は2月24日午前、徳島大学前停留所で下車した乗客の20代女性が荷物を持ち帰るため、車両のトランク内に入った。運転手は他の乗客の乗車券回収に気を取られ、女性がトランク内に残っていることに気づかなかったという。バスはそのまま終着の徳島駅までの約1・6キロを7分ほど走行した。トランクは内側からは開けられない構造になっていたという。

 徳島駅でトランクを開けた係員が女性が中にいることに気づいた。女性にけがはなかった。4月下旬に同社が謝罪した際、女性は「怖かった」と話したという。

 JR四国バスの宮武賢一・取締役安全推進部長は「お客様をはじめ、関係する皆様に多大なご不安、ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。処分を厳粛に受け止め、再発防止に全力で取り組んでまいります」と話した。

 JR四国バスは3月10日に運輸局に報告し、同15日に運輸局が監査をすると、運転者への指導監督が不十分だったことなど6件の法令違反が判明。5月24日付でこの路線を運行する同社松山支店のバス1台を20日間使用停止とする行政処分をした。

 運輸局への報告が2週間遅れたことについて、宮武部長は「女性に直接会って謝罪してからにしようと思った」と釈明した。(福家司)

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