JR北海道、売上高85%回復も3年連続赤字 営業赤字24年連続

新田哲史
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 JR北海道が28日発表した2023年3月期決算は、売上高が前年比21・2%増の1337億円、最終的なもうけを示す純損益は164億円の赤字(前年は10億円の赤字)だった。コロナ禍からの旅客回復で5年ぶりの増収となったが、3年連続の赤字となった。

 売上高は行動制限の緩和やインバウンド訪日客)の回復を受けて、コロナ禍前の20年3月期比で85%まで戻った。鉄道運輸収入は前年比45・1%増。土産店などの小売り事業、ホテル事業も売上高が回復した。

 本業のもうけを示す営業損益は572億円の赤字で前年から155億円改善したが、営業赤字は24年連続。電気代や軽油などの動力費が28億円増えた。事業別では赤字は鉄道を中心とする運輸業のみで、その他はいずれも黒字だった。

 純損益が前年の10億円の赤字から大幅に拡大したのは、前年は経営安定基金の一部を国の鉄道・運輸機構に高利で貸し付ける際の資産の売却益が335億円あったため。留萌線(深川―留萌)や根室線(富良野―新得)の廃線合意に伴い、特別損失に94億円を計上したことも影響した。

 萩原国彦常務は28日の会見で「コロナ前の水準に回復するにはまだまだかかる。電気料金の値上げも控えており、厳しい経営環境が続いている」と話した。(新田哲史)

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