埼玉高速鉄道の全駅に授乳ルーム 離乳食にも対応、お出かけ気軽に

岩堀滋
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 埼玉高速鉄道の駅に、赤ちゃんとお出かけするお父さんやお母さんが授乳やおむつ替えなどで気軽に使える専用ルームができた。設置費用は埼玉県川口市小児科クリニックが全額負担し、利用は無料。3月28日に戸塚安行(川口市)と浦和美園(さいたま市緑区)の両駅構内に置かれ、5月中には7駅すべてで各1台が使えるようになる。

 専用ルームは、横浜市中区の「Trim」(長谷川裕介社長)が開発した個室型のベビーケアルーム「mamaro(ママロ)」。高さ201センチ、幅180センチ、奥行き90センチの移動式個室になっている。ほぼ畳1畳分のスペースにあたり、授乳やおむつ替えができる。離乳食を食べさせる時のための大きな椅子と、近年需要が多いという搾乳機が使えるようにコンセントも設置した。

 利用は午前7時~午後8時だが、それ以外の時間でも駅職員が解錠することで利用が可能。内側からカギもかけられる。安全上の理由で、施錠後30分が経つと、鉄道の担当者にアラートが届く仕組みという。

 費用は7台で計約1千数百万円だが、川口市の医療法人社団「Sunny」(若林大樹理事長)が全額負担した。若林理事長が2年ほど前にママロの存在を知り、鉄道側と設置計画を進めてきた。若林理事長は「医療面で得た収入を地域へ還元し、少子化対策に少しでも貢献出来たらと考えた」と話す。

「お出かけ、おっくうにならずに済む」

 埼玉高速鉄道では昨年2月から、7駅の事務室の一部を仕切った授乳スペースをつくってきた。荻野洋社長は「沿線には子育て世代の若い人たちが多く住む。駅はまちのコンシェルジュ。こうした機能を有効に使ってぜひお出かけをしてほしい」と言う。

 3月28日のお披露目会には、さいたま市中央区の鈴木亜莉紗さん(24)は2歳と0歳の女の子と参加。「3人でちょうどいい広さなので助かる。授乳などでお出かけがおっくうにならずに済むので、こうした設備はとてもありがたい」と話した。岩堀滋

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