根室線新得―富良野間、24年3月廃止・バス転換で合意 JRと地元

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三木一哉
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 JR北海道根室線の富良野―新得間(81・7キロ)の廃止問題で、同区間沿線や周辺自治体の首長が30日、JR北海道の綿貫泰之社長と会談し、JR北が提示した同区間の「2024年3月末廃止・バス転換」に同意した。

 富良野市で開かれた会議「根室本線対策協議会役員会」には、廃止区間4市町村(富良野市、南富良野町占冠村、新得町)の首長と廃止区間外(滝川―富良野間)の3市(滝川、赤平、芦別市)の首長、綿貫社長、道の宇野稔弘・交通企画監が出席した。

 廃止に併せてJR北はバス転換に伴う初期投資と廃止後18年間の赤字想定額、まちづくり支援金として4市町村に計20億9千万円を支払う。内訳は、バス運行支援金が18億1千万円、まちづくり支援金が2億8千万円(各自治体7千万円ずつ)。4市町村とJR北が支援の覚書を交わし、7市町村が廃止への同意書を提出した。

 南富良野町の高橋秀樹町長は「廃線は残念で、同意は断腸の思い。だが、水害での鉄道運休と代行バス運行、ダイヤ改定での減便で利用者は不便を感じていた。地域交通の再編を前向きに進めたい」と語った。

 綿貫社長は「線区の収入をみると、国からの助成があっても(災害)復旧は難しい。もう少し、助成のしくみが改善されればありがたいのだが」と述べた。

 2016年の台風で東鹿越―新得間の線路が損壊、不通のまま代行バスの運行が続いている。4市町村は昨年1月、JR北海道から求められた復旧した場合の年間約10・9億円の維持費について「負担は困難」として鉄路維持断念を表明していた。

 これにより、JR北が2016年に「単独で維持するのが困難な線区」で特に利用者が少ない「輸送密度が200人未満」(いわゆる赤線区)とした全5線区で廃線・バス転換に沿線自治体の同意が得られた形になった。(三木一哉)

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