「救うチャンスあった」国労の元闘争団長、留萌線の晩年で見たもの

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三木一哉
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 JR留萌線のことを考えると、複雑な思いが頭をよぎる。その終着である、留萌駅(北海道留萌市)の広場に面した建物2階。葛西忠雄さん(62)はここで、NPO法人「ワーコレるもい」の理事長として働く。

 かつて留萌駅の駅員だったが、1987年に解雇された。葛西さんは当時、国鉄解体によって大量解雇された労働組合「国労」の組合員。その後、再雇用を求めて戦った留萌闘争団の団長を務めた。

 「ワーコレるもい」は、闘争団の仲間とつくった。組合員らが自ら出資して仕事を請け負う事業体として立ち上げ、廃油の回収とせっけんの製造、水道料金の検針や除雪を請け負う。

 だが、昭和は終わりを告げ、平成、令和と時代は移りゆく。当時のメンバーは高齢になって、ほとんどやめた。いまは、国労とは関係のない職員ばかりだ。

 「自分が最後の残党なんです」

■あきらめの気持ちになった瞬…

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