「気象のせいではない」 脱線事故の教訓を見てきた専門家が思うこと

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高井里佳子
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 「10年に1度」の寒波日本列島を襲った1月下旬、JR西日本の京都線や琵琶湖線で列車が最長9時間50分にわたって立ち往生した。乗客らは車内に閉じ込められ、16人が病院に運ばれた。こうした事態はなぜ起きたのか? 2005年4月の宝塚線(福知山線)脱線事故を受けて、同社の安全性向上などに力を尽くしてきた専門家に聞いた。

 「非常に単純な部分で、山ほど問題がある」。世界の鉄道に詳しい曽根悟・東大名誉教授(83)=鉄道工学=は指摘する。

 乗客ら107人が亡くなった宝塚線脱線事故後、05年から13年まで、JR西の社外取締役を務めた人物だ。

融雪装置の基準、数字で決められない

 まず指摘したのが、列車が駅…

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