まるでバス停? JR四国が進める駅舎の簡素化めぐり、異論続出

福家司
[PR]

 四国各地で歴史ある木造の鉄道駅舎が次々と取り壊され、アルミ製の壁と屋根だけの簡素な施設へと姿を変えている。赤字が続くJR四国がコスト削減策として進めており、全259駅のうち、すでに13駅が建て替えられ、さらに61駅について自治体と協議中だ。築百年を超す駅舎も含まれ、反対運動も起きている。

 「久しぶりに郷里の徳島に帰省して、言葉がなかった。なんじゃこりゃーである」

 大阪市西成区長の臣永(とみなが)正広さん(68)は昨年夏、実家近くの牟岐線阿波中島駅(徳島県阿南市)に立ち寄った感想をフェイスブックにこう書き込んだ。

 築80年を超えていた牟岐線の阿波中島駅の木造駅舎は、アルミ製の三方囲いにベンチが置いてあるだけのバス停のような施設に変わっていた。

 JR四国によると、木造駅舎の簡素化は、2014年度に「利用実態に合った駅舎にする」との方針のもとに始まった。駅舎を維持した場合にかかる修繕費や定期検査代、1千万円を超す耐震化費のコスト削減が期待できるという。

 徳島県東みよし町の特急停車駅、徳島線・阿波加茂駅の住民有志は昨年末、駅舎の取り壊しに反対する署名を集めて町長に提出した。築百年を超える山小屋風の趣ある駅舎をJR四国が取り壊す計画を進めていると知ったからだという。(福家司)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【本日23:59まで!】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら