第3回「大動脈」またぎ、さびる歩道橋 「老いるインフラ」対策の課題は

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山下寛久
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 豊橋駅(愛知県豊橋市)近くに、JR東海道線や名鉄名古屋線などの線路をまたぐ道路橋「城海津(しろかいづ)跨線橋(こせんきょう)」がある。付属する南側歩道橋(長さ約57メートル)に近づいてみると、青い塗装がところどころさびたり、はがれたりしている。

 駅近くの町で自治会長を務める岩田和弘さん(76)は「落下するかもしれないものが、そのままになっているのは異常だ」と話す。

建設から50年以上が経過した歩道橋

 この歩道橋が架けられたのは1970年。建造からすでに50年以上が経つ。点検で橋板を支える鉄の構造物に腐食が見つかり、2014年に通行止めに。応急の補強を施したうえ、崩落の予兆を事前に察知するためのセンサーが設置され、常時稼働している。

愛知県内では昨年5月、豊田市の取水施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で大規模漏水が発生しました。農業、工業ともに給水が一時停止するなどしたことを機に、改めて「老いるインフラ」に対する県民の関心が高まりました。愛知県知事選(2月5日投開票)の争点の1つです。

 管理者の県東三河建設事務所によると、15年に撤去が決まったが、昼夜問わず運行する鉄道をまたぐ上、家屋が密集した市街地のため関係する機関も多く、調整に時間を要しているという。今のところセンサーのデータには異常はなく、落下の恐れはないとしているが、岩田さんは「もし崩れ落ちればとんでもない事故になる」と不安をぬぐえない。

日本の「大動脈」に落下すれば物流に影響も

 貨物列車も行き交う日本の「…

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