JR越美北線を盛り上げたい 応援弁当、タビノオト…沿線住民の試み

八鍬耕造
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 福井県を東西に走るJR越美北線の厳しい現状を受け止めつつ、沿線地域をつなぎ、まちづくりを進めようとする活動が始まっている。

 活動の中心となっているのは「新幹線開業に向けて越美北線を考える会」。福井から4駅目の越前東郷(福井市)周辺の住民が2021年春に立ち上げた。

 きっかけはコロナ禍だった。20年は勝原(かどはら)(大野市)までが開業して60周年だったが、祝賀行事の大半が中止に。行事を手がけていた有志が「越美北線の歴史を知るとともに、観光目的で沿線の魅力を見つけていこう」と考える会を作った。

 事務局長の伊藤真紀さん(49)は岐阜県出身で、結婚を機に福井に来た。それだけに福井の良さも分かるという。

 「鯖江のメガネにしても、越前打刃物にしても、福井には地味だけでレベルが高い技術が多い」

 24年春に北陸新幹線が金沢から敦賀(福井)まで延伸するのを前に、考える会は沿線の魅力を発掘するイベントなどを行う。

 考える会が発行する「タビノオト」という冊子は、四季をイメージした4種類で、沿線の見どころを紹介するほか、チケットやパンフを貼ったり、写真を入れたりするための白紙のページもある。表紙にカメラやスマホを手にしたネコが描かれたかわいいデザインが人気になっているという。

 そんな中、東京・新宿にある京王百貨店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」(7~22日)で、百貨店と地元が協力して作り上げた異色の「駅弁」が販売されることになった。

 伊藤さんは弁当についても「九頭竜まいたけも見た目は地味だけど、一度食べたらその魅力は分かってもらえると思う。上庄さといもの硬さもすごい。弁当を食べておいしいと感じたら、ぜひ越美北線の沿線を訪ねてほしい」と期待を寄せている。(八鍬耕造)

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