浦賀のゴジラ、山手線… 作曲家に聞く、10秒の駅メロに込めた物語

有料記事リレーおぴにおん

聞き手・笠井正基
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 駅のホームで電車の発車や接近を知らせてくれる駅メロディー(駅メロ)。10秒ほどの世界に、どんな思いが込められているのでしょう。これまで約200作品を作り、230以上の駅で採用されてきた作編曲家の塩塚博さんに聞きました。

リレーおぴにおん「鉄道150年」

 ――今は多くの駅で定着した駅メロですが、どのように広まったのでしょう。

 「広く知られるようになったのは、1989年にJR新宿駅渋谷駅で導入されてからでしょうね。その2年前に国鉄の分割・民営化でJRが誕生し、顧客サービスとして始まりました。私は93年から駅メロを作曲していますが、アンチの方も含めて話題になり、私鉄にも広がりました」

 ――「アンチの方」とは?

 「駅メロは一日でかなりの回数が流れるので、当初は近隣住民から鉄道会社にけっこう苦情があったと聞きます。そもそも発車メロディーなど必要ないだろう、と考える人も。一方で、気に入ってくれるお客さんも多かった。JR新宿駅の初代駅メロはとてもきれいな響きです。これが先駆けとなって、けたたましく鳴る発車ベルやブザー音から、気持ちよく乗車を促す駅メロへと次第に変わっていきました」

 ――塩塚さんはJR山手線中央線などで使われている駅メロを作曲されているんですよね?

4小節の曲でも転調

 「『SHシリーズ』ですね…

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