寅さんの故郷で「元祖チューハイ」に酔う 下町酒場の変わらぬ味わい

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編集委員・小泉信一
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現場へ! 夜の街は沈まず③

 年の瀬。四角い顔のあの男の面影を求めて、京成電鉄の柴又駅(東京都葛飾区)で降りた。

 四角いトランクを提げた寅さんが、妹さくらの声で振り返った場面を再現した銅像が立っている。「お兄ちゃん、どこに行くの?」「風の吹くまま、気の向くままよ」。そんな会話でもしているのだろうか。映画のワンシーンのようである。

 柴又に来たのはもう一つ理由があった。駅前広場にある老舗居酒屋「春」で「元祖チューハイ」を飲むためだ。居酒屋でおなじみのチューハイ。ところが、柴又を始め、葛飾区やその周辺では飲み方が違う。炭酸水で割った甲類焼酎にレモンやウメ風味のエキスを注ぐのが葛飾流である。氷はほとんど入れないのが「通」とされる。

 淡い琥珀(こはく)色。口に…

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