何にもない、だから降りたい秘境駅 1日7本、感慨あふれるノート

有料記事いいね!探訪記

文・鈴木智之 写真・上田潤
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 JR土讃線。列車が徳島県の山中に止まった。扉は開かない。運転士が車内を走り、逆方向の運転台へ。少し進み、たどり着いた小さなホーム。「坪尻駅 秘境の駅」と記されていた。

 JR坪尻駅は、徳島県三好市のうっそうとした山林に潜む秘境駅だ。1両編成のワンマン列車から降り立つと、耳に入るのは鳥のさえずりと川のせせらぎだけ。香川と高知をつなぐ幹線、土讃線の駅だが、昨年度の平均乗車人数は1日あたり1人だった。

 険しい坂の途中にあるため、香川から来た列車はいったん駅を越え、下り坂を後退して到着する。逆に香川へと向かう列車は出発時に一度戻ってから坂を上っていく。「スイッチバック」と呼ばれる、まれな形の線路だ。

 1日に止まる列車は上下合わせて7本だけ。駅から車道や集落までは、山道を歩いて15~30分ほどかかる。その訪れ難い立地とスイッチバックの存在で、鉄道ファンにその名を知られる。

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 駅舎に置かれたノートには…

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