新幹線初の「重大インシデント」から5年 安全確認の回数約18倍

岡純太郎
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 新幹線「のぞみ」の台車に破断寸前の亀裂が入ったまま約3時間走行を続け、国の運輸安全委員会が新幹線で初の「重大インシデント」と認定した問題から5年が経った。JR西日本は12日、これまでの取り組みを公表した。

 台車亀裂問題は2017年12月11日に発生した。JR西が問題後に掲げた対策のうち、超音波を用いた台車の検査装置や台車温度検知装置の導入など、ハード面の整備は21年3月末までに終わったと説明。ソフト面では乗務員に対し、車両の異変に気づくための音やにおいの体感教育などを導入したことを紹介した。

 また「安全が確認できないときは迷わず列車を止める」という原則を研修などで運行に関わる職員に徹底することにより、22年4~10月の間の安全確認の回数は、問題発生以前の約18倍にあたる月平均9・1回になっていると明かした。

 JR西山陽新幹線統括本部の込山(こみやま)哲也安全推進部長は「重大インシデントを風化させることなく組織全体で安全性向上に取り組む」と話した。

 18年3月、JR西の対応を検証する有識者会議が、新幹線が過去に大きな事故がなく危機管理に甘さや油断があった、などと指摘する提言をまとめている。(岡純太郎)

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