「北の国から」蛍が通った恋路、いまはもう 根室線、迫られた決断

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中沢滋人
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 名作ドラマ「北の国から」の、あのシーンを覚えている人は多いだろう。「’92巣立ち」の劇中、旭川で看護学校に通う中嶋朋子さん演じる蛍が、帯広の大学に通う恋人に列車で会いに向かった場面だ。

 途中、乗り換えの富良野駅で、実家に寄らないで帯広への列車に乗る後ろめたさが、狩勝峠を越えて十勝地方に入ると解放感に変わる、蛍の心の描写が印象的だった。

 しかしいま、蛍と同じように、この鉄道の旅路をたどることはできない。

 旭川と帯広の間にある根室線の富良野―新得間(81・7キロ)の一部区間が、2016年夏、台風被害に遭って以来、不通が続いているからだ。

 そして今年1月、沿線の地元4市町村は苦渋の決断を迫られた。

ドラマ「北の国から」で、蛍が通い続けた恋路がいま、存続の危機に立たされています。地元関係者らを訪ね歩くと、鉄路とその沿線に生きる人々との深いつながりが見えてきました。

 JR北海道から求められてい…

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