silent舞台の「地味な駅」に脚光 小田急「効果は想像以上」
東京・世田谷にある小田急線の小さな駅にいま、多くの人が押し寄せている。各駅停車しか止まらない世田谷代田(だいた)駅だ。放送中の人気ドラマ「silent」で登場したことをきっかけに注目が集まり、撮影協力する小田急電鉄も「効果は想像以上」と驚く。
新宿駅から13分、世田谷代田駅は閑静な住宅街にある。改札を出ると、ジョギングや犬の散歩をする地元住民の姿がみえる。
「このベンチがイヤホンを拾ってあげるシーンのところだ!」。平日の午前中にもかかわらず、改札前のベンチに人だかりができていた。若い女性から子供連れ、カップルら。ポーズを決めて写真を撮っている。
このベンチは、フジテレビ系列のドラマ「silent」で、登場人物の2人が再会するシーンが撮影された場所だ。
「silent」は、川口春奈さん演じる主人公の「青羽紬(つむぎ)」と、目黒蓮さん(Snow Man)演じる「佐倉想」のラブストーリー。想は聴力を失ったという想定で、「音のない世界」で2人が再会する物語は、ツイッターで世界トレンド1位を獲得した。
ドラマでは駅のホームや改札、橋や階段といった多くが世田谷代田駅で撮影された。休日は、「聖地巡礼」に訪れるファンであふれかえる。
小田急電鉄によると、世田谷代田の1日の平均乗降人数(2021年度)は約8千人。70ある沿線の駅の中で63番目の地味な駅だ。
ドラマの放送が始まった10月、巡礼効果もあってか、定期券以外で利用した世田谷代田駅の1日の平均乗降人数は前月から13・3%増加した。小田急の広報は「代田駅が目的地になるなんて。ドラマ効果は想像以上」と話す。
不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」が賃貸物件ページの閲覧数を調べたところ、「世田谷代田駅」がドラマ放送前から1・2倍に増えた。
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