顔認証で改札 車いす専用「ストレスなしに」 大阪メトロが実証実験

松永和彦
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 「顔パス」で電車に乗れる顔認証改札機。大阪メトロが、大阪・関西万博の開幕前の2024年度中に、全駅での導入を目指している。19年末から実証実験が続くが、今月、車いすの利用者を対象にした実験も始まった。

 御堂筋線長居駅で1日、北改札口に設置された顔認証改札機の実演があった。車いすの利用者が改札ゲートに入ると、カメラが事前登録された顔データと照合し、改札をスムーズに通ることが出来た。

 体験した大阪市の会社員横山和也さん(38)は「改札で止まらずにいけるのでとても便利」。これまでは、ICカードなどを出す際にいったん車いすから手を離す必要があった。顔写真の事前登録に抵抗感は少しあったと言うが、「便利さが勝る」と話した。

 車いすの実証実験の期間は来年2月17日まで。同社によると、事前の登録者は22人で、全員が長居駅を利用しているという。

 同社は19年12月、大阪市内4カ所の駅に顔認証改札機を設置し、社員を対象に実証実験を進めてきた。現在は8駅に設置済みだが、車いすを対象にした顔認証改札機は初めて。今回、通常のスピードやマスク姿でも問題なく認識できるかなど、実用化に向けたデータを収集する。

 同社の担当者は「顔認証の仕組みの向上に努め、ストレスフリーに取り組んでいる。万博までには導入したい」と意気込む。(松永和彦)

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