熊本空港アクセス鉄道整備ルートで合意 大手半導体TSMC進出受け

長妻昭明
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 熊本空港熊本県益城町)とJR豊肥線を結ぶ空港アクセス鉄道整備計画について、熊本県とJR九州は29日、検討していた3ルートの中から肥後大津駅(同県大津町)と熊本空港を結ぶルートとする方針で合意した。県は12月県議会での議論を経て正式決定する方針。運行開始は、早ければ2034年度末になる見込み。

 この日、蒲島郁夫知事が福岡市のJR九州本社を訪れ、古宮洋二社長と会談した。肥後大津ルートの場合、整備費約410億円の3割を上限にJR九州が負担することや、設備の管理を自治体が担う「上下分離方式」を検討することなどに同意する確認書を取り交わした。

 空港アクセス鉄道については、県が18年にJR豊肥線の三里木(同県菊陽町)、原水(同)、肥後大津の各駅からそれぞれ分岐して延伸する3案を検討し、19年にJR九州と三里木ルートで合意。しかし昨年11月、世界的な半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)の県内進出を受け、県はルートの再検討を表明。今年9月に肥後大津ルートが費用対効果が最も高いとの試算を公表し、県が設置した有識者会議も同ルートが妥当との結論を出していた。

 蒲島知事は会談後、記者団に「JR九州と同じ方向を向いて取り組むことを確認できたことは大きい。できるだけ早く方針を決めたい」と語った。(長妻昭明)

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