2025年7月から運行開始となるJR東日本の新たな特急列車『イブニングウェイ』。その名前の響きからして、なにやら優雅な“週末のご褒美”を想像させますが、実際のダイヤや行先、接続をよく見てみると、どうにもその狙いが曖昧に感じられてきます。
JR東で久々の「ディーゼル特急」誕生! 仙台エリアで臨時特急「イブニングウェイ」7月から運転 - 鉄道コム
JR東日本東北本部は23日、仙台~小牛田・石越間で、臨時特急「イブニングウェイ」を運転すると発表しました。
金曜だけ、仙台発の“ちょっと早め”な特急
この特急は、毎週金曜に2本だけ運行されます:
- イブニングウェイ1号(仙台18:15 → 小牛田18:51)
- イブニングウェイ3号(仙台20:34 → 石越22:00)
しかも、いずれも仙台を出発しても終点は小牛田または石越まで。名称の印象とは裏腹に、鳴子温泉には直通しません。鳴子方面へ行くには小牛田での乗り換えが必要ですが、1号では小牛田で約30分の待ち時間、3号に至っては鳴子温泉到着が22:33と、観光には遅すぎる印象すらあります。
地元の感覚からすると、正直「これなら車で行くよね」というのが本音。実際、仙台市民が温泉地を選ぶならアクセスの良い秋保温泉の方に軍配が上がるでしょう。
観光? 通勤? それとも演出?
JR側の説明では「週末の観光や通勤帰りの快適な移動」を意識しているようですが、金曜のみという運行設定では、通勤特急としては力不足。
特に3号の時間帯は“国分町帰り”には早すぎるという声もあり、平日の通勤需要を狙うには運行頻度も時間帯も中途半端です。一方で観光を目的とするには、先述のとおりアクセスが良いとは言いがたく、“誰のための列車なのか”という疑問が残ります。
鉄道模型の世界では…?
さて、鉄道模型ファンの目線で見ると、この『イブニングウェイ』は興味深い素材になりつつあります。
運用車両はキハ110系の特別編成。実車ではリクライニングシートを新たに導入するなど、設備面での変更があるのが特徴です。
このあたり、模型化を考えると微妙な立ち位置です。既存のキハ110系を金型流用で「タイプ」として製品化するなら、KATOがホビーセンター限定でやる可能性はあります。ビスタ模型鉄道にも在籍しています。

ただし、その場合はリクライニングシートの再現がされない可能性も高く、ディテールにこだわるファンからは物足りないと感じられるかもしれません。
一方で、こうした「小粒だけど話題性のある列車」を狙ってくるのはグリーンマックス(GM)の得意分野。KATOほど大手でない分、ニッチ需要にも柔軟に応えることが多く、GMからの模型化は意外と現実味があるかもしれません。
TOMIXについては、キハ110系に関しては新規金型を起こしてまで製品化するとは考えにくく、今回は静観する可能性が高そうです。
“鉄道模型で先に定着”する可能性も?
この『イブニングウェイ』が今後どれだけ定着するかは未知数です。週末だけの中途半端な運行がファンの心をつかむかどうかはともかく、鉄道模型の世界では「限定感」や「話題性」が重要な要素。むしろ、実車の成否を問わず、先に模型が話題になるというパターンも十分にあり得ます。
果たしてこの列車、乗客の心をつかむのか? それとも模型ユーザーのコレクション棚に早々と姿を現すのか? 今後の展開に注目していきたいところです。
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